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上半期ベスト・アルバム2009。

「今夜もうさちゃんピース」テキスト起こしと「Sleeping with NME」のローテーションのみになりつつあるここな訳だが、道重さゆみちゃんのおかげで各方面で雪崩のように処理すべき案件が押し寄せ、それをバッサバッサと片付けて行く快感に目下陶酔中ゆえに、処理しなくてはならない情報を処理することで手一杯という状況。困難に打ち克つ為の葛藤こそが美でありえ、また、そこにおいてはけして自分らしさを失ってはいけないという原則、それを貫くことによってのみ獲得される生の充足、こういったものが一気に押し寄せている感じである。これらはすべてにおいて100%道重さゆみの存在があったからこそということが出来、更に今後は実際的な価値としてこれを具現化させていく次第である。

通り一遍な近況報告はこれぐらいにして、先週の「今夜もうさちゃんピース」において道重さゆみも言っていたように、今年もあっという間に半分が終った。という訳で、毎年恒例の上半期ベストである。といっても、ここココログでやるのは初めてか。いままでは別のブログとかソーシャルネットワークなんちゃらとかで発表していたんだが、今やインターネッツでの発表場所がここだけになっているので、とりあえずここでやっておく。

年々新作アルバムを聴く量が減ってきていたんだが、今年は激増した。候補作50作品とか簡単に挙げられた。まず新譜を半年で50枚以上も聴いていることが驚きなのだが、CDは1枚も買っていない。正確にはプレゼント用に1月に2枚だけ買ったんだが、自分用のは一切買っていない。まず、Napster。これが神がかり的に凄まじい。月額1980円とかでPCと携帯電話のどっちでも聴けるコースに登録しているのだが、人気アーティストの新譜とかも発売と同時に追加されるので、かなりいい。日本盤CD出る前に輸入CD発売と同じタイミングで追加なんていうのもよくあること。それから海外のストリーミングでアルバム丸ごと流してくれるサイトだとかMP3通販とかそういうので、主に聴いたんだなあ。その結果、上位40枚をカウントダウン形式で発表する。選出時の気分が多分に反映されているがゆえ、数日後にやったら順番がかなり入れ替わっている可能性が大アリ。だが、とりあえず。

まずは40位から30位まで。

40 GRACE/WASTELAND - PETER DOHERTY
39 FITS - WHITE DENIM
38 SECRET, PROFANE & SUGARCANE - ELVIS COSTELLO
37 PRELIMINARIES - IGGY POP
36 DUKE PANDEMONIUM - MARMADUKE DUKE
35 FEVER RAY - FEVER RAY
34 THE SPIRIT OF APOLLO - NASA
33 QUICKEN THE HEART - MAXIMO PARK
32 PANDEMINIUM ENSUES - GLEN TILBROOK
31 HOLD TIME M WARD

続いて、30位から21位。

30 OUTER SOUTH - CONOR OBERST & THE MYSTIC VALLEY BAND
29 NOBLE BEAST - ANDREW BIRD
28 THE CRYING LIGHT - ANTONY AND THE JOHNSONS
27 BITTE ORCA - DIRTY PROJECTORS
26 YEARS OF REFUSAL - MORRISSEY
25 JOURNAL FOR PLAGUE LOVERS - MANIC STREET PREACHERS
24 WALL OF ARMS - THE MACCABEES
23 ART BRUT VS SATAN - ART BRUT
22 KINGDOM OF RUST - DOVES
21 21ST CENTURY BREAKDOWN - GREEN DAY

GREEN DAYがMORRISSEYやMANIC STREET PREACHERSよりも上位にきているというまったくもって私らしくない格付けになっているのだが、MORRISSEYのもMANIC STREET PREACHERSのも大好きでよく聴いたのだが、GREEN DAYのアルバムは私の好みの音楽性ではないにもかかわらず、力強くポップでバラエティーに富んでいて、否応なく惹きつけられた。続いていよいよトップ20の発表でございます。

20 THE SPINNING TAP - GRAHAM COXON
19 DARK DAYS/LIGHT YEARS - SUPER FURRY ANIMALS
18 A MAN WOMAN A MAN WALKED BY - PJ HARVEY
17 MIDDLE CYCLONE - NEKO CASE
16 WALKING ON A DREAM - EMPIRE OF THE SUN
15 TONIGHT:FRANZ FERDINAND - FRANZ FERDINAND
14 MANNERS - PASSION PIT
13 WILCO(ALBUM) - WILCO
12 VECKATIMEST - GRIZZLY BEAR
11 MY MAULDLIN CARRIOR - CAMERA OBSCURA

20位から18位はGRAHAM COXON(BLUR)、SUPER FURRY ANIMALS、PJ HARVEYと、1990年代に愛聴したアーティスト達の新譜がそれぞれランクイン。それぞれにユニークな持ち味をより深化させ、かつポップ音楽としても良質な傑作である。17位のNEKO CASEは実はこれまでちゃんと聴いたことがなかったのだが、カントリー風味の音楽性が妙にハマった。16位のEMPIRE OF THE SUNは浮世離れした楽天世界な訳だが、去年のMGMTなんかにも通じるこんな時代やさかいにご陽気に行きまっせといったヤケクソ感として勝手に読み取ったがゆえ、結果としてヘヴィロテ化したという好例(何を言っているのか次第によく分からなくなってきた)。15位FRANZ FERDINANDはもちろんデビュー時から大好きなんだが、3作目の今作はよりダンス寄りな作風。前2作に比べると圧倒的に聴かなくなったがそれでもこのニューウェーヴ風味はやっぱり好き。14位PASSION PITはいろんな音楽をゴチャマゼにして面白い最新型のポップスを創っちゃおうという私が最も好ましく思うタイプの若者達っぽい。13位のWILCOは大人気バンドなんだが、実は今までろくにちゃんと聴いたことがなかった。何度かちょっとだけ聴いたことはあったんだが、私の趣味には地味すぎる感じがしたのだ。今回はたまたま「Sleeping with NME」の記事を作っていて、TouTubeに上がってた1曲を聴いて気に入ったしだい。苦味を知った者が奏でる甘いポップ・チューンほど私の心を動かすものはない訳で、かなり上位にランクイン。12位GRIZZLY BEARはこれまた最近のUSインディーなんだが、実にいい。11位CAMERA OBSCURAは私が愛してやまないネオ・アコースティックだとかギター・ポップだとかC86だとかいった繊細かつキューティーな気分が辛抱たまらん。

さてさていよいよトップ10である。まず、第10位...。

10 THE ETERNAL - SONIC YOUTH


The EternalMusicThe Eternal


アーティスト:Sonic Youth

販売元:Matador

発売日:2009/06/06
Amazon.co.jpで詳細を確認する

いわずと知れたオルタナ音楽界の大御所にして重鎮の大ベテラン・バンドである。90年代前半は「GOO」とか「DIRTY」とかメチャメチャ聴いたし、80年代の「SISTER」とか「DAYDREAM NATION」とかは明らかに画期的な作品であり、私もいまだにiTunesに入れている。だが、もう10年以上もこのバンドの新譜は買っていなかった。ところが、メジャーからインディーズに戻って第1弾のこのアルバムにずっぽりハマってしまった。何だ、この瑞々しさは。ポップとアヴァンギャルドとを行ったり来たりする、このバンドの真骨頂が円熟味を増して高度に再現されたかのような素晴らしいアルバム。

9 YONDER IS THE CLOCK - THE FELICE BROTHERS

Yonder Is the ClockMusicYonder Is the Clock

アーティスト:The Felice Brothers
販売元:Team Love
発売日:2009/04/07
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カントリーとかフォークの要素が強いいわゆるアメリカーナと呼ばれる音楽ジャンルが人気で、UNCUTという雑誌などでは以前からかなり推している訳だが、根がパンク/ニューウェーヴな私などは、若い者が何を好き好んでそんなジジ臭い音楽をやっているのか、などと感じていたところもある。いや、好きなバンドやアルバムも結構あるんだが、その上で。だがしかし、これはいい。「ハックルベリーの冒険」などでお馴染みのアメリカ作家マーク・トゥエインの世界観をテーマにしたというこのアルバムは、アメリカの伝統的な楽器や音楽イディオムを駆使した圧倒的な世界観を持っている。もうとにかくこんな時代で、アメリカなどはかなり深刻な感じなのだろうが、ゆえにこのような強度を備えたファンタジー装置の必要性というのが高まっているのだろうか。


8 NO LINE ON THE HORIZON - U2


No Line on the HorizonMusicNo Line on the Horizon


アーティスト:U2

販売元:Vertigo

発売日:2009/03/03
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このバンドも80年代には新譜が出れば必ず買ってよく聴いていたのだが、1991年の「ACHTUNG BABY」を最後にすっかり聴かなくなってしまっていた。が、しかし、このアルバムを聴いて偉大さを再認識。これだけバンドが巨大化肥大化しつつ、ショウビズ的世界とかとも付き合いながら優れた作品を創り続けていくのだというオトナの覚悟ともいうべきもの、どうしようもない怒りだとか諦念だとかそれゆれに溢れ出る優しさだとかがビンビン迫ってくる作品。これもNapsterでお手軽に聴けたからこそ出会えたアルバムであり、CDでしか聴けない環境だったとしたら聴かずじまいだった可能性が高い。

7 IT'S BLITZ - YEAH YEAH YEAHS


It's Blitz!MusicIt's Blitz!


アーティスト:Yeah Yeah Yeahs

販売元:Interscope/DGC/Dress Up

発売日:2009/03/31
Amazon.co.jpで詳細を確認する

超絶カッコいいギター・バンドが新機軸のダンス・ビートに挑戦し、いまひとつ残念な結果に終わるという事例は児数知れず見てきた訳で、今回のYEAH YEAH YEAHSに関してもそんな予感がしないでもなかったのだが、これは素晴らしい。ニューヨークのアート系パンクの血筋を引き継ぐバンドとしての見事な進化形を見せ付けてくれた。

6 TOGETHER THROUGH LIFE - BOB DYLAN


Together Through LifeMusicTogether Through Life


アーティスト:Bob Dylan

販売元:Columbia

発売日:2009/04/28
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40年ぶりに全英アルバム・チャート第1位に輝いた大ベテラン、BOB DYLANの最新作。映画サントラ仕様のトラディショナルな作風がアメリカーナの流れにも乗っかって円熟かつ新鮮、トラディショナルかつトレンディーな味わい。

5 FURTHER COMPLICATIONS - JARVIS COCKER


Further ComplicationsMusicFurther Complications


アーティスト:Jarvis Cocker

販売元:Rough Trade

発売日:2009/05/29
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BLUR再結成というイヴェントがきっかけでブリットポップ再評価の動きもあるが、そんな中で発表された元PULPのフロントマン、JARVIS COCKERのソロ第2弾。STEVE ALVINIがプロデュースと聴いた時には意外な感じもあったのだが、これが実にいい化学反応を起こしている。JARVISの卓越したポップ感覚は健在だが、その根底にある怒りの感じが、サウンドとヴォーカルにうまく表れている。

4 LA ROUX - LA ROUX


 La Roux La Roux
販売元: iTunes Store(Japan)
iTunes Store(Japan)で詳細を確認する

昨年のMYSTERY JATSの路線変更だとかLADYHAWKEの登場などで、80sリバイバルも来るところまで来たかという印象で、若干食傷気味だったのが正直なところ。こちとらリアルタイムで体験した世代で、もはやちょっとやそっとじゃ評価してやらんぞ、と、かつてTHE STONE ROSESとかTHE LA'Sを60年代の焼き回しで全然新しくないと言っていた何も分かっちゃいないクソジジイどもに感じた熱い怒りも忘れ、そんな構えでいたところ、このアルバムにはすっかりやられた。ここまでやられちゃあグーの根も出ない。いわゆるエレポップが基調になっているんだが、シンセの音色だとかメロディー・ラインだとか、ディテールが本当にウマい。上手いし旨い。つい先週出たばかりで、ヘヴィロテ中につき、かなり高い順位になったが、本当によく聴いている。

3 PRIMARY COLOURS - THE HORRORS


Primary ColoursMusicPrimary Colours


アーティスト:The Horrors

販売元:XL/Beggars Group

発売日:2009/05/05
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ゴス系ヴィジュアル・バンドという印象が強く、1STアルバムも買ったもののあまり聴かずに段ボールで眠っていたTHE HORRORS。しかし、この2NDで大きくバケた印象。JOY DIVISIONとかを思わせる重厚かつ陰鬱なトーン。こんな時代だからと言ってノスタルジーだとか高度なファンタジーに逃げ込みがちな風潮の中、この作品の孤高っぷりもものゴッツい。初聴で度肝を抜かれてヘヴィロテ化したものの、その後、実はあまり聴いていないのは、BGM的に聴き流すのが困難だからに他ならない。体力気力が漲っている時に、またしっかり対峙してみたい。

2 WORKING ON A DREAM - BRUCE SPRINGSTEEN


Working on a DreamMusicWorking on a Dream


アーティスト:Bruce Springsteen

販売元:Columbia

発売日:2009/01/27
Amazon.co.jpで詳細を確認する

BRUCE SPRINGSTEENが第2位なんてあまりにも保守的すぎはしないだろうかという気もしたのだが、どう考えてもやはりここに来てしまう。それぐらいよく聴いたし、今後も聴き続けるであろう重要なアルバム。BRUCE SPRINGSTEENは25年前の「BORN IN THE U.S.A.」で夢中になって以来、過去の作品を遡ったりして、ずっとお気に入りのアーティストの1人なのだが、正直新譜を熱心に聴くということはここしばらく無かったし、もう2度と無いのだろうなという気がしていた。それだけに、まさか2009年に私がBRUCE SPRINGSTEENのアルバムをここまで好きになるとは思ってもいなかった。世界大恐慌に端を発する暗い時代を照らす希望の歌という意味で、これほど力強い音楽は無い。支援していたBARAK OBAMA大統領の就任、アメリカの国民的行事であるスーパーボウルでのパフォーマンス、主題歌を書き下ろした映画「THE WRESTLER」主演のMICKEY ROUKEがゴールデン・グローブ賞を受賞、GLASTONBURY FESTIVALへの初出演にしてヘッドライナーなど、BRUCE SPRINGSTEEN本人にとっても第3の黄金期ともいえるトピックが目立つ昨今、時代がこの人の歌を必要としているのかもしれない。

1 MERRIWEATHER PAVILION - ANIMAL COLLECTIVE


Merriweather Post PavilionMusicMerriweather Post Pavilion


アーティスト:Animal Collective

販売元:Domino

発売日:2009/01/20
Amazon.co.jpで詳細を確認する

アメリカン・インディー好きの間ではすでに有名で、アルバムも何枚も出しているグループの最新作。私は前作の苺ジャムのジャケットが気になって聴いてみたのだが、自分のどストライクの好みに対しては前衛的にすぎるというか突き抜けたポップさに欠けるという印象で、あまり印象に残っていなかった。しかし、今作は分かりやすさが増して私にはちょうどいい感じ。とにかく脳内がお花畑な超絶快楽音世界とでもいうべきものが展開されており、「PET SOUNDS」が歴代最も大好きなアルバムである私が21世紀のTHE BEACH BOYSではないかと思っている程なのである。

こんな感じで2009年上半期は実に充実した音楽生活が楽しめた訳だが、下半期もこれと同じぐらいの素晴らしい音楽に出会えるとするならば、それはなんて素晴らしいことだろう。とりあえず8月にはARCTIC MONKEYSか。ここでTHE LEMONHEADSのカヴァー・アルバムを入れるのを忘れたことに気付いたが今さら仕方がないので、年間ベストに乞うご期待ということで、さようなら。

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